その昔、子宮がんと言えば、圧倒的に子宮頸がんが多い時期がありました。

それが子宮頸がん検診を受ける人が増え、早い段階で見つかることが多くなったことと、食生活の変化(食事の欧米化)により、子宮体がんになる人が増加。今では子宮頸がんよりも子宮体がんになる人が多くなっています。

しかしここ最近、外来で診療していて、進行した子宮頸がんで見つかることが以前より多いように感じます。

初期の場合は、がん検診でひっかかる場合でも、たいてい不正性器出血もなく、見た目に異常は見られません。

それが進行してくると、不正性器出血が続き、診察で膣鏡をかけて子宮膣部を見ると、肉眼ではっきりと腫瘍がわかるぐらい大きくなっています。

年代も20代~90代の方まで、幅広い年代の方が発症されており、閉経したから子宮頸がんにはならないということはありません。

 

不正性器出血という症状が出た時にはすでに進行していることが多いので、早期発見のためにも、症状がなくても20歳以上の方は子宮頸がん検診を1-2年に1度受けることをお勧めします。

ただし、全く性交体験がなく、不正性器出血もないという方は無理に子宮頸がん検診を受けなくてもよいかと思います。

これは、子宮頸がん検診の原因が一部のヒトパピローマウイルス(HPV)の感染だとわかっているからです。

HPVの感染は性交によって起こります。その経験が全くない方はHPVに感染しているとは考えにくく、子宮頸がん検診自体が膣の入り口に器械をかけて、子宮膣部(子宮の入り口)をブラシなどでこする検査のため、性交体験のない方には痛みを伴いやすいためです。

逆に一度でも性交体験がある方は、かならず子宮頚がん検診を受けることをお勧めします。

実はHPVに感染する女性は全体の80%にのぼり、わりとありふれた感染症であるのです。

そして、感染した人のうち、90%の人は免疫力などでHPVは消えてなくなりますが、残り10%の人は感染が持続し、子宮頸部の病変が進行していく可能性があるのです。

HPVに感染することは決してまれなことでなく、感染していたとしても必ずしも子宮頸がんになるとは限らない、ただし注意して定期的に検査をしていく必要があると知っていてほしいのです。

早期に発見すれば、子宮頸部を一部切除するだけで、子宮が温存できる可能性が高く、そうすると妊娠も可能になってきます。

もちろん、病気としての予後がよいことは言うまでもありません。

 

それから喫煙も子宮頸がんになりやすいリスクの一つになっていますので、ぜひ禁煙することをお勧めします。

 

最後にもう一つ。不正性器出血がある時に、出血が終わってから受診しようと時期をみてきてくださる方がいらっしゃいますが、明らかに生理の1-2日目で数日たてば出血が落ち着くことがわかっている場合にはそうしていただけるとありがたいのですが、もしダラダラを出血が続いている場合には遠慮せずいらしてください。

大量出血が続くと貧血がひどくなり、輸血をしなければならなくなることもあります。

女性は貧血に強いのですが、がんばり過ぎずに、無理せずに早めにいらしてください。

なかなか予約がとれないことも多く心苦しい限りですが、予約外でお待ちいただける場合(初診の場合は人数制限あり)には診察させていただきますので、一度電話でご相談ください。

 

(文責:金子透子)